WordPress.org の日本語版サポートフォーラムのモデレーターを養成するためのトレーニング資料を今作っているところです。作りながら思ったんですがモデレーター向けの資料とは別にサポート回答者向けのノウハウもまとめといた方がいいんじゃないかと。
僕は自作のプラグインのサポートを20年近く続けていて、累計の回答回数は優に2万回を超えます。そのように大量の質問を日々さばき長年モチベーションを維持し続けるのにはそれなりのノウハウが必要です。自分自身のフォーラム回答者としてのノウハウをこの機会にまとめてみようと思いました。
最初に断っておきますが、これは WordPress.org 英語版サポートフォーラム内の個別プラグインカテゴリーでの経験を元にして書いています。他の OSS のサポートにも役に立ったり立たなかったりするかもしれません。また自分の考えを正しいものとして押しつけるつもりはありません。
サポートフォーラムでは参加者の誰もがボランティアです。プラグインやテーマの開発者であってもボランティアという立場に違いはありません。ボランティアですから回答する義務はありません。的確な答えを持たない時は他の人に対応を任せて構いません。
ボランティアをタダ働きする便利なお人好しぐらいに考えている人も多いかもしれませんが本来ボランティアとは内発的な動機に支えられて活動する人のことです。サポートフォーラムのボランティアとは面倒くさいと思った時はスルーして構わない自由な立場の人のことを指します。
質問者には敬意を持って接するべきですが過度の敬意というのも考えものです。質問者も回答者も対等の立場のボランティアなのですから変にへりくだったりする必要はないはずです。営業が顧客に接するような態度は相手を勘違いさせ、結局皆を不幸にします。
パブリックなサポートフォーラムの利点は知見や情報が公開の場に蓄積される点にあります。蓄積された情報は質問者当人だけでなく類似の問題に直面した他のフォーラム参加者の助けにもなり、コミュニティの共有資産として役に立ち続けます。プライベートなサポートサービスではこうはなりません。
回答者にとっても同様で、パブリックなサポートフォーラムでは同じ回答を何度も繰り返す必要がなく、多くの場合過去の回答を示して参考にするよう促すだけで済みます。メールや DM で質問を受けることを嫌う人が多いのはそれらがプライベートなチャネルで非効率だからです。
情報の蓄積がサポートフォーラムの利点であるということを踏まえると、質問に回答する際に単に質問者個人の抱えている問題を解決するためだけではなく将来の訪問者のことも意識した方がより良いでしょう。結論だけでなくどのように調査してその結論に至ったのか、過程を示すこともまた大切です。
質問者から多くを聞かず限られた情報だけで状況を推理しピンポイントに的確な回答を行う、いわゆるエスパー回答というのは、上手くはまれば気分の良いものですが、サポートフォーラムでエスパー回答を試みるのは無意味です。他の事例に応用できないからです。
サポートフォーラムで最も貴重なリソースは回答者のやる気です。回答者に無理を強いてもやる気が保ちません。いずれ回答してくれる人が居なくなりフォーラム全体の不利益になります。回答者の側もこれを肝に銘じて自分のやる気を守ることを最優先にするべきです。義務感なんかは真っ先に捨てましょう。
(続きを執筆中。Twitter にも載せています)
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